クラフトブルワリーの話の前に、そもそも「クラフトビール」とはなんなのでしょうか?
「クラフト(Craft)」とは手工芸、技術・技巧と言った意味があるため「職人が作る手作りのビール」というニュアンスを含みますが実際のところ「クラフトビール」にはっきりした定義はありません。
しかし100%言えるのは
「クラフトブルワリーの作るビールがクラフトビール」
という疑いようのない事実です。大手メーカーが大量生産するビールをクラフトと呼ばないのは自明です。
では「クラフトブルワリー」はどういう条件を満たすブルワリーなのでしょうか??実はアメリカにはっきりした定義があります。ここでは Brewers Associationが定めるブルワリーのカテゴリをご紹介します。
Brewers Associationによると、クラフトブルワリーと呼ばれるには大きく以下の3点が条件として挙げられています。
1)小規模である
年間製造量が600万バレル(約70万キロリットル)以下である。
2)独立している
完全な独立、または同業他社(クラフトブルワリー以外)の資本が25%未満である
3)ビール製造業者である
あたりまえの条件ですが「アメリカのビール製造免許を取得し、ビールを製造している事」と書かれています。
総じてクラフトブルワリーとは「大手ビール会社の資本が入って無い(又は低い)小規模の独立したビール会社」となります。
クラフトブルワリーは、さらに以下の4つのカテゴリに分類されるとしています。(実際のところ殆どが1と2に属します)
1.マイクロ・ブルワリー(Microbrewery)
生産量が年間1760キロリットル(1万5千USガロン)未満で、そのうち75%は併設パブ以外で販売されているブルワリーを指します。ビールの販売方法は、卸業者から流通へ流すか、小売りへ直接下ろすか、併設するタップルームやレストランで消費者へ直接販売するか・・の3つとなります。
2.ブルー・パブ(Brewpub)
生産量の25%以上を併設のパブ・レストランで販売しているブルワリー。法的に許可を得ていれば、流通経路の販売や店頭で持ち帰り用の販売も同時に行われる。
3.契約ブルワリー(Contract Brewing Company)
他社のブルワリーに、自社ブランドのビール製造を委託している会社。自社がブルワリーで、追加銘柄を生産するために他社で製造委託しているケースも含まれる。
4.地域型クラフトブルワリー(Regional Craft Brewery)
独立した、特定の地域に特化したブルワリー。生産する殆どのビールは、伝統的または革新的な手法のどちらかに特化する。
参考リンク
https://www.brewersassociation.org/statistics/craft-brewer-defined/
https://www.brewersassociation.org/statistics/market-segments/