フライト(Flight)、またはフライト・ビア、ビア・フライトなどと呼ぶが、ブルワリーで提供される飲み比べセットのようなもので、約3~5オンス(90ml-150ml)程度の小さいグラスで4~6種類を一回でオーダー出来る。自分で好きなビールを選べるのが一般的だが、パブの場合は予め決められたセットの場合もある。
通常はビアフライトパドル(Beer Flight Paddle)と呼ばれる、カヌーのパドルのような細長い木製の板に乗せて提供されるが、ブルワリーによってこのパドルは形・材質などが個性に富んでいる。板に置くのではなく空いた穴にグラスを突き刺すタイプや、縦長ではない形のパドルを使うブルワリーも見受ける。
フライトで飲める量は合計するとパイント一杯分かそれ以上になり、金額も当然パイントよりも高めだ。
フライトのメリットは何といっても味見して自分好みのビールを探せること。初めて訪れるブルワリーではまずフライトで気になるビールを味見し、気に入ったものを次にパイントでオーダー・・という事が出来る。あまりたくさん飲まない人はフライトだけで十分楽しめるだろう。
ちなみに複数のスタイルを飲む場合、軽いものから重いものへ移してゆくケースが多いが(例えば セッション⇒ペールエール⇒IPA⇒スタウト 等)、フライトをオーダーする場合もそのような流れを考えてオーダーすると楽しめるかもしれない。
このようにフライトは、多種多様なスタイルを作るクラフト文化の象徴のようなサービスとも言えよう。
ブルーパブではオーダーする前に軽く味見させてくれるケースが多いので、石橋を叩いて渡る超慎重派な人は、購入前に幾つか味見⇒フライトで更に味見⇒いよいよパイント・・と進めば完璧である。(そこまでやるビール好きは居ない気もするが)