こんにちは、マローン恵です。
私が住んでいるアメリカ合衆国オレゴン州は、全米で10番目に大きな州で、日本の本州と四国を合わせるほどの広さがあります。
日本の方にはドラマ「オレゴンから愛」のイメージが強いのか、「オレゴンって農園地帯が広がる田舎なんでしょ?」とよく言われるのですが、農園だけでなく、西は砂浜が広がるビーチから、森林や山々、そして東には砂漠地帯と、バラエティ豊かな地形と自然に恵まれた土地なんですよ。
さて今回は、そんなオレゴンの豊かな自然のひとつであるビーチで生まれた地ビール「ペリカン・ブリューイング」をご紹介します。
ペリカン・ブリューイングは、オレゴンの小さな海沿いの街パシフィック・シティにて、1996年に誕生しました。
創業当初は今にも崩れ落ちそうな古物件をブルワリーに改造してスタートしたそうですが、いまやオレゴンの地ビールメーカーとして押しも押されぬ存在となりました。ペリカン・ブリューイングのボトルビールはスーパーやリカーショップにも広く出回っているんですよ。
創業から今まで、ペリカン・ブリューイングは大小300ものアワードに輝いています。すごい!
ブリューイング・パブは、創設地のパシフィック・シティのほか、同じく海沿いの街キャノンビーチにもあります。また、ティラムックという街にビール工場があり、パブではないですが試飲のできるタップルームが併設されています。
今回は、創業地パシフィック・シティにあるビーチフロントのブリューイング・パブをご紹介します。
このお店の特徴は、なんといっても砂浜に建つビーチフロントという最高の立地。
テラス席はとくに大人気で、席数は多めですがいつも満席。秋冬の寒い時期でもテラス席はいつも賑わっていて、犬連れでビールやフードを楽しむ人の姿も多く見られます。
ちなみに、オレゴン州とワシントン州にまたがるアメリカ北西海岸はパシフィック・ノースウエストと呼ばれていますが、ビーチフロントに建つブルワリーは、パシフィック・ノースウエストではここペリカン・ブリューイングだけなのだとか。貴重!
まさに海の目の前!
海に浮かぶ小島のような巨岩はヘイスタック・ロックと呼ばれる名勝で、ヘイスタック・ロックを望むこのビーチは観光スポットとしても人気です。
パシフィック・シティ自体は本当に小さな田舎町なのですが、このビーチとペリカン・ブリューイングのパブだけは、一年を通して観光客でにぎわっています。
建物に入ると、すぐ左側にビールの醸造タンクが並ぶ醸造室があります。このお店ではビール工場の見学はできませんが(ティラムックの工場では見学を行っています)、ガラス越しに眺めるだけでもワクワクします。
カウンターにも人がぎっしり。
食事をせずビールだけ飲みたい人は、ここに並んでビールだけ買うこともできます。が、ペリカン・ブリューイングのパブは食事も評判がいいので、せっかくここまで来たらぜひ食事も味わっておくのがおすすめです。
ビアタップはもちろんペリカンです!
店内はかなり広く、テーブル席が並ぶホールのほか、ボックスシートもあります。写真だと見えないのですが、ガラス越しに海とヘイスタック・ロックが見えますよ〜。
ではさっそく、ドリンクメニューを見ていきましょう!
ドリンクメニューにはワインやカクテルもありますが、なんといってもメインはビール!
店舗によってラインナップは若干異なりますが、この日は17種類のドラフトビールがありました。期間限定のシーズナルビールも多いので、その季節ならではの味が楽しめます。
いろいろなビールを味わってみたいので、8種類のビールが楽しめるテイスター・トレイ($12)をオーダーしてみました!
ペリカンのかわいいトレーに乗って、8種のビールが登場。こちらのテイスター・トレイは7種の定番ビールと1種の季節限定ビールが、お店側に選ばれて運ばれてきます。自分であれこれ選べないのはちょっと残念ですが、お店の人気ライン8種なので、間違いのないラインナップ。
1)Kiwanda : Pre-Prohibition Cream Ale、ABV5.4%、IBU25
ペリカン・ブリューイングのシグネチャービールがこちら。禁酒法以前の19世紀の製法をベースに作られたクリームエールです。フローラルな香りと爽やかなのどごしで、最初の一杯にぴったり。
2)Sea ’N’ Red : Irish-Style Red Ale、ABV5.4%、IBU25
アイリッシュスタイルのレッドエール。まろやかな口当たりで飲みやすく、ほんのりココアのようなキャラメルのような香ばしさが感じられます。
3) Katch : Kolsch Style Ale、ABV4.8%、IBU20
ケルシュビールにレモンを合わせた爽やかでユニークなビール。柑橘系のキリッとした香りでグイグイ飲めちゃう。
4) Tsunami : Export Stout、ABV7%、IBU45
数々の賞に輝くペリカン・ブリューイングのシグネチャービール。クリーミーで濃厚なスタウトらしい味わいが楽しめます。
5) Umbrella : New-World India Pale Ale、ABV7.4%、IBU60
アメリカンスタイルのニューワールドIPA。華やかなホップの香りがキウイやパッションフルーツを彷彿とさせるキリッとした味わい。
6) Beak Bender : Hoppinated India Pale Ale、ABV6.7%、IBU65
2種のホップを独自の製法で乾燥させて使用した、ホップにこだわりのあるIPA。柑橘類の皮のような程よい苦味とくっきりとした華やかな味わいが楽しめます。
7) Beak Breaker : Double India Pale Ale、ABV9%、IBU90
まずIPAらしいガツンとした苦味があり、その後にトロピカルな香りが鼻にぬけていく。IPA好きにおすすめ!
8) 3 Capes : India Pale Ale、ABV6%、IBU60
こちらは季節限定の一杯。口当たりがやわらかくフルーティで飲みやすい。ややパンチ不足な感はありますが、食事と合わせるならアリかなと思います。
個人的には1のKiwanda、2のSea ’N’ Red、4のTsunamiが好み。Tsunamiはこの後パイントでもオーダーしました(笑)。
さて、気になる食事のメニューはこちら。
サンドイッチやバーガーはもちろん、アペタイザーやサラダ、デザートなど豊富なラインナップから選べます。
ここの食事は定評があり、グルメアワードにも輝くほど。ただし、お値段はちょっと高めです。観光地価格、といったところでしょうかね〜。
スパイシー・コリアン・チキン・レタス・ラップ $16.99
甘辛いコリアンソースで味付けした鶏ひき肉を、ロメインレタスでくるんでいただきます。おつまみに最高!
ペリカンズ・フェイマス・フィッシュ&チップス $18.99
オーソドックスなフィッシュ&チップスですが、ふんわりやわらかい白身魚がカリッと香ばしい衣で揚がっていて美味。付け合せのコールスローも美味しいです。
ダンジネスクラブ・マック&チーズ $27.99
自家製チェダーチーズソースをからめたマカロニに、ベーコンやトマト、ダンジネスクラブが乗った豪華な一皿。蟹肉がたっぷり使われているのは高ポイント。欲を言えば、アントレとしてはもうすこし量が多めだとうれしかったです〜。
フラン $8.99
デザートは、硬めの食感と苦甘いカラメルが絶妙なフランで。パブのデザートにしては甘すぎず、美味しかったです!
このパブは本当に人気で、観光客だけでなく他のオレゴンの土地から日帰りで遊びに来るグループも多く、店内はいつでも活気があふれています。
ランチやディナーのピーク時は長時間待つこともあるので、来店の際はピークタイムを避けるのがおすすめです。
美味しいビールと食事を堪能したら、酔いざましにビーチをお散歩するのも楽しいですよ。
すぐ隣りにはケープ・キワンダという小さな岬があり、砂丘が広がる州立自然地区になっています。この砂丘を登るのがすごく楽しいので、ぜひトライを。ただし傾斜が急で、ビールをたらふく飲んだ後だと登るのがキツイかもしれません(筆者は経験済みです笑)。
パシフィック・ノースウエストで唯一のビーチフロントに建つブルワリー、ペリカン・ブリューイング。オレゴンの海岸方面へ行く際は、地元で人気のビールを味わいに、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?