北米の最新クラフトビール情報をお届けします。

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デンバーよりころらどままです。

デンバーの主要駅ユニオンステーションからダウンタウンとは反対側のウェストサウスプラット地区には、雰囲気のある建物の中に、古着やさん、アイスクリームショップ、スパイスショップにドーナツショップなど、こだわりのお店が軒を連ねるレトロモダンな街並みがあります。

その一角に、鮮やかなターコイズブルーと赤の壁が目を引くブルワリーCERVECERIAがあります。とにかく可愛い、この壁にはカラベラ(髑髏)とサボテンのイラストが描かれています。そう、このお店はメキシコをテーマとしたブルワリーなのです。スペイン語でCervezaがビール、Cerveceriaはブルワリーといった意味だそうです。

テラス席にもカラフルなチェアーが並んでいて、色彩感覚が素晴らしくメキシカン。死者の日に飾られるパペルピカド(切り絵の旗)のような色味で、異国情緒が感じられます。夜に、裸電球が灯れば、もうほぼメキシコなのでは・・・と思わせる雰囲気。

店内も勿論カラフルでアートに溢れています。カウンターの後ろの壁にもサボテンが描かれ、棚にはマリアッチ(メキシコ音楽の楽団)の衣装でギターをひくカラベラ。

もじゃもじゃしたアクアブルーのライトの下はオープン席。外の景色を眺めながら会話も弾みます。

奥の席は籠状のライトに、これまたお洒落な鶏の絵、メキシコ人と思しき、おじさんの写真。これだけ沢山の色を使い、壁や天井、家具などには、レンガに木に金属と、様々な材質を使いながら、まとまりのあるスタイリッシュな空間を作り上げていることに只々感嘆です。このまま、うちのリビングにさせて欲しい!

タンク室を覗いてみると、隣接する姉妹店Denver Beer Co.と繋がっていました。Denver Beer Co.は全面オープンの開放感が凄いお店で、明るく入りやすく大勢の人で賑わっている一方、こちらのCERVECERIAは、ややダウンライトで、ちょっとした隠れ家的な雰囲気です。

さて、ビールは、スタッフのお姉さんにおすすめを3種類選んでもらいました。

!Venga!
メキシカンラガー酵母を使ったトラディショナルなメキシカンラガー。マルガリータのように、コップの縁に塩とライムが添えられたCheladaスタイルで頂きます。

くせがなく、とにかくすっきりライトで飲みやすい。これぞ、メキシコのビール、といった感じ。Vengaとは’come on!’ とか‘Let’s do it!’という意味だそう。陽気なメキシカンの雰囲気が伝わってくるビールです。 

Senor Pina
向こう側の景色が透けて見えるほど透明度の高いSenor Pinaは、パイナップルとモザイクホップで醸造されたブロンドエールで、トロピカルフルーティー。フルーツの爽やかな甘さの中に少しキレがあり、苦みは少なくスムーズな飲み口です。

COCO PINGO
濁りのある黄色のCOCO PINGOは、エクアドルのBandido Brewingとのコラボレーションビールで、希少なエクアドルのIshpingoという木の樹皮(シナモンに胡椒の風味を加えたような味の香辛料)を使用しているのだとか。

ベースとなるセゾンはIshpingoとカカオニブ(カカオ豆から外皮と胚芽を取り除いたもので、スーパーフードとしても注目されているそう)で熟成させたもの。う~ん。新しい。まろやかで、すっきりとしていて、麦のにおいがして、風味が独特。

他の2つは、夏の日に勢いよくグーッと飲み干したい感じですが、これは、チョコレートでも齧りながらゆっくり飲むのが良さそうです。

このお店にはフードメニューはありません(壁にチップス&サルサと書かれていますが、食べ物はないと言われたので、ないようです)。お皿に盛られたチュッパチャプス系キャンディはご自由に、ですが、ビールに飴は、、ちょっと私のような素人には厳しいかも、、という方は、周辺のレストランでテイクアウトした食事の持ち込みOKです。

すぐ横にあるPOKEのお店で売っているスパムおむすびをほおばるのはいかがでしょう?

コロラドには沢山のブルワリーがありますが、メキシカンなブルワリーは数少なく、私は今回初めて出会いました。アメリカにいながらにしてメキシコを味わえる面白いブルワリー、是非トラベル気分で訪れて欲しいです。