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こんにちは。バンクーバーよりYUです。

この度は、知り合いの知り合いの紹介ということで、取材依頼を希望していただいたブルワリーFuggles & Warlock Craftworks(F&W)を訪問してきました!

「日系のビール情報サイトなのにどうやって知ったの!?」と思う方もいると思いますが、F&Wは日系の方も経営に携わっているブルワリー。日本人という親近感から訪問前より一層楽しみでした。

外にもパティオがあり夏だったら外でゆっくりしたいなと思ったのですが、今は冬のため早速中へお邪魔しました。


中は広々とカウンターがあり、奥にはソファー席とハイテーブル席があります。家に帰って来たようなアットホームな印象です。

Fuggles & Warlockという名前で気づいた方もいるかもしれませんが、名前の通りビールオタクのDan “Fuggles” Colyerと Tony “Warlock” Iaciによって創業されたブルワリー。

我々は、クラフトビールとビデオゲームによって消費された「スーパーパワー」を持つブリューワーだ!と名乗るほどオタクを主張しており、タップルーム内にもゲーム機がありビールを飲みながらゲームすることも可能です。

今回は、One Pint代表のYusukeと編集を担当している私YUの2名で取材に来ていたこともあり、奥のソファー席にお邪魔しました。

こちらが今回取材を担当していただいたブリューマスターのDanさん(創業者の1人)と奥様でイラストレーターのYurieさん。


Danさんは、実は日本人とカナダ人のハーフということで、英語も日本語もペラペラ。そのため、本日の取材は全て日本語で行わせていただきました。

取材をしながら、ビールの試飲ということで、いくつかの種類を頼んでいると、全種類持って来てくれました。(本当にありがとうございました。)


今回は計12種類の味があったので、端から丁寧な説明を受けながら試飲開始。全てを紹介するのは、長すぎる(のとせっかくなのでみなさん自身で試して頂きたい)ので、私が印象に残ったTOP3を紹介します。

PIXEL PILS (ピルスナー)
こちらは、2019年、British Colombia Beer Awardにて最優秀賞に選ばれたピルスナー。個人的には、ラガー、ピルスナーは普段代わり映えのない印象なので、頼まないことが多いのですが、こちらのは別格!!!!!口に含んだ時にふわっと香る味わい。ただただスッキリ飲み干すには勿体無いと感じる絶妙なピルスナー。早速1つ目から驚きでした。

The Last Strawberry(ウィート)
こちらは、YusukeもYUも既に知っていた伝説のウィートビール!!いちご味のウィートって甘味料を使用していて甘いんじゃない?と、思うじゃないですか。The Last Strawberryは、いちごをこれでもかと言うほどふんだんに使用して作っているので、甘味料の甘さではなく本来のいちごの甘さなので、ものすごい贅沢。いちごならではの甘さと少しの酸味に魅了されます。

YU: どのくらいのいちごを使うんですか・・・こんなに風味が出るまで使うって相当必要ですよね?!

Danさん:そうなんです!このビール、売り上げに繋がらないんですよね。笑

と笑いながら言うDanさんをみて、真の職人だなと思った私です。味に妥協しない、とにかく素材をふんだんに使ってとことんこだわる。素敵な話と努力の裏話に前回よりもっと美味しく感じました。笑

KIWAMI(サワー)
こちらは、プラム(梅)がふんだんに使われたサワービール!さっぱり梅サワーなのかと思いきや、ビールなので、ホップの香りも漂うなんとも絶妙なお味。もともと梅が大好きな私ですが甘すぎる梅酒は苦手なのだが、これはヘブンリーでした。

持ち帰りのパッケージには、「極」という文字が書かれておりこちらも見所。F&Wのパッケージは、イラストレーターのYurieさんがデザインしているので日本のアニメーションや漢字など日本を連想させるパッケージがたくさん見受けられます。

全種類試飲しながら、色々お話を聞いてみたのですが、今まで知らなかった魅力的な話が多すぎるので、下記にまとめて見ましたよ。

1)フレッシュなホップ、生の味

先ほどもお伝えした通り、とにかくフレッシュなものをフレッシュなまま使用することに命をかけてる(言い過ぎ)と言っても過言ではないくらい徹底しているDanさん。

朝は、かなり早起きで仕込みなど準備をします。夏は、新鮮に採れるホップを使用するために茶摘みのような作業もあるようです。Danさんは静岡出身の親の元に生まれたので、昔からこういった作業のある業界に携わることが運命だったのでしょうか。笑

2)周りと違う独自のユニークさ

「ブルワラーはみんな友達。戦うと言うよりは、助け合って、地域を盛り上げていくもの」と言うDanさん。本当に同じ地域のブルワラーは、コラボレーションなどをしていろんなイベントに参加したりと仲良い雰囲気が漂います。

そんな中でも差をつけるには、ユニークさを出すことが大事。常に「Keeping Beer Weird」をモットーに他にないユニークな味を作り出すのがプロの仕事。

今までは、ストロベリーやマンゴー、梅などの味を開発してきたF&Wですが、日本酒やジンなど違うお酒とのハイブリッドドリンクも展開。

今後もどんなビールが出てくるのか楽しみです!

3)どんなことよりも大切な「衛生管理」!

どんなにフレッシュな材料があって、様々な味を展開しても「衛生管理」にしっかり時間を使ってここを忘れてはいけないと言うDanさん。

衛生管理には時間も手間もかかるので、これが一番大変であるが、とても重要でなくてはならない作業だと言います。ここまでハッキリと自信を持って言えるDanさん、侍かと思うくらい、凛々しかったです。

そのあとは、貯蔵庫も見学させて頂きましたよ。

ブルーイングを説明してくれているDanさんと興味津々なYusuke

 

冷蔵庫内の様子

 

Yurieさんデザインのラベルが貼られているマシン。

こだわりのポイントにあった通り、本当にどこもクリーンで全てが整理整頓されています。今回お話を聞いて、より一層ファンになりました。こういった奥深い話は、ビールを飲むだけでは全て理解できないためとても貴重な情報を頂くことができ本当に嬉しかったです。


F&Wは、オープンしてから毎年のように様々な賞を受賞しており、トロフィーがずらっと並んでおりましたよ。紹介したPIXEL PILSのみならずたくさんの味が受賞を受けているので是非、訪問して色々試飲してみてくださいね。

今回ご協力いただいたDanさん、Yurieさん、貴重な体験をさせていただきとても感謝しております。本当にありがとうございました。今後もたくさん通わせていただきますね!