北米の最新クラフトビール情報をお届けします。

📖 現地レポート 👓 ビールコラム 🏭 ブルワリー一覧 🍺 ビールスタイル
ライター
地域 🇨🇦カナダ BC州 バンクーバー

どうも、ご無沙汰しております、Kengoです。

今回は、最近新しく導入しましたKeg Systemについて少しお話させていただきます。

Kegとは?

ご存じの方も多いかとは思いますが、よくBarとかPubとかで無造作に並べられているビールの樽ことですね。樽と言っても木製でできているものではなく、ブルワリー製造で一般的に使われているものはスチール製です。この樽にCO2(二酸化炭素)を使って圧を注入し、樽上部に付属しているチューブを通してバーカウンター等で見かけるタップマシーンにビールが流れ注がれていくという仕組みです。

BottlingとKeggingの大きな違い

なぜKegを使用してビールを注ぐと自家製ビールは更に美味いのか?!!

一番大きな理由はずばり、糖分にありました。

ホームブルーイングでは、基本的には醗酵が完了したビールをボトルに移す際に糖分を足します。醗酵済みのビール内に糖分を足してあげる事で、醗酵作業中にビール内の糖分を食べつくしてしまっていたイースト菌に新たな餌をあげるようなイメージです。この新たな餌をイースト菌がボトル内で消費することによって瓶内にブクブクと発生(醗酵時期とは違いボトル内に空気の逃げ場が一切ない為)=炭酸となるわけです。

ちなみに、一般的に使われる糖分はCorn Sugarであったり、Dextroseといわれるものを使用することが多いです。ネットでも購入可能、市内の専門店でも普通に見受けられます。こちらは、料理に使用する砂糖との大差はあまりないため、値段は比較的安くお買い求めできます。

上記の方法をとった場合、糖分を使って発酵が既に完了しているビールに更に糖分を足すので、もちろん、最終的なビールに甘みが残ってしまいます。

出来上がったビールを試飲するたびに、「思ったほどホップの味がしないな…」「麦の苦みが効いてこないな・・・・」等々どこか中途半端な感じになるのは、このBottling時に足す糖分がネックだったりすることが多々ありました。

長年の間、この糖分ジレンマに悩まされてきたのが正直なところ・・・。当初ビールレシピを考える際には、こうなって欲しいという明確な味のビジョンを描いて材料を揃えるものの、この追加の糖分によってどうしてもそのビジョンがはっきり反映されない。なんだか糖分である甘さが邪魔をしている。そんなモヤモヤした気持ちでした。

それ対して、Kegを利用してビールに炭酸を発生させる場合は、同じように糖分を足して炭酸を発生させる事も可能ですが、糖分は使わずに直接CO2をビールに注入する形で炭酸を発生させることが可能となります。

北米ではForce Carbonationとも呼ばれる方法で、イースト菌に頼らずに人工的に炭酸を注入してしまうという方法です。サイズにもよりますが、この方法だとビールに炭酸を発生させるのに要する時間も圧倒的に短くなります。

手法の手順としては、

  1. 醗酵済みビールをKegに移動
  2. 蓋を完全に締めて密封
  3. KegにCo2を接続&注入
  4. Kegをそのまま冷蔵庫等で5-7日間ほど保管
  5. 注入したCo2がビール液中に馴染めば完成

この方法であれば、発酵が完了したビールに糖分を改めて追加する必要がなく、確実にビールの味そのものが完成品として炭酸と共に楽しめるわけです。

少し長くなったので今回はこの辺で終わりにしますが、今回僕が購入したのは、Mini Keg(3.6リットル)。ケグからビールを注ぐ為のディスペンサーだとか、CO2カートリッジなどのアイテムを含めても$150でお釣り来る程度の割に満足度は高いです

最近はこれを駆使して、金曜日の夜などに自家製自宅タップビールを楽しんでいます。ボトルに移さないで味やアルコールが封じ込まれているからか、それとも気持ちの問題なのか、タップだと直ぐに酔う気がします。笑

何はともあれ、この新しい武器を手にして、今後更に新しいビールレシピ開発に念が入りそうです。

またボチボチ近況を報告させていただきますね!