北米の最新クラフトビール情報をお届けします。

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こんにちは、ポートランド在住旅河モモです。ポートランドでは毎月様々なビールのイベントが開催されています

今回はオレゴンのクラフトビアフェスティバル『Oregon Brewers Festival』(オレゴン・ブルワーズ・フェスティバル)へ行ってきましたー!

『Oregon Brewers Festival』は、今年で32回目を迎える歴史あるビアフェスティバルです。

アメリカ最大とも言われる程の規模を誇り、毎年7万人を超えるビールファンが世界中から集います。

このフェスティバルは、1988年のまだクラフトビール業界が立ち上がったばかりの頃に、大衆にマイクロブルワリー(小規模のブルワリー)を広めるため開催されました。

開催当時は、ポートランドのブルワリーはまだ4つ、州全体でも6つのみでした。

その後クラフトビール産業は成長を続け、現在アメリカには約7000件のクラフトビールブルワリーがありますが、今年はさらに1000のブルワリーが開業すると予想されているのだとか。

オレゴンには現在200以上ものブルワリーがあり、今回フェスティバルでは93のブルワリーと8つのサイダーハウスから1種類ずつ、全101種類が提供されます。

そしてなんと、このうち80種類以上がこのフェスティバルで初デビューする製品なんです!

まだ誰も飲んだ事の無いビールがそんなにあるなんて、ビール好きのポートランダーにとってもこれはめちゃくちゃ楽しめるイベントですね。

そして今年は、このフェスティバル史上初めてオレゴンのみのクラフトビールとサイダーが提供されます!

過去には、オランダやニュージーランドなど海外ビールも用意されていたのですが、もうオレゴンのブルワリーだけでも充分な種類が提供できるということなんでしょうか。

ホップで飾られて可愛いフェスティバルのロゴ

日程は、毎年7月の最終週に開催されます。

2017年までは水木金土日と5日間開催していたようですが、去年は木金土日の4日間、今年は水木金土の4日間となっています。

日曜に飲みに来る人は少ないからやめたのかな?来年行かれる予定の方は、日程をよくご確認下さいね。

※最終日は人気のビールは売り切れますので、ご注意を!

私とポートランダーの旦那さんは、意気込んで初日の水曜日に行ってきましたよ!

まずは、入り口でIDチェック。こんなリストバンドをしてもらいます。

このフェスティバルでは、入場券はありません。

ビールを飲むには今年専用のビアマグとトークン(チケット)を購入する必要があります。マグとトークン10枚のセットが20ドルです。

マグ(ジョッキ)と言ってもプラスチックのミニジョッキです。日本の小さい缶ビールと同じくらい。中にトークンと持ち帰り用のビニール袋が入ってます。

トークンは木でできていてカラフルで可愛い!本来は、このトークンと引き渡しにビールを飲むわけですが、記念に1つ持って帰ってもいいかも。

ジョッキは1つ10ドル、トークンは1枚1ドルから追加で購入できます。

トークンは1枚でテイスティング用の89ml、4枚でジョッキ1杯分です。

皆が購入しないといけないわけではないので、子連れでもOK。

ビールが得意でない人も雰囲気を味わいたい場合や、グループにビールをあまり飲めない人がいても気軽に立ち寄りやすいですね♪

ちなみにこんなサインがありました。

“Current Festival Glass Required”(去年のマグは使えません!)

ガラスのジョッキなら家飲みでも使えるので毎年集めたいところですが、このプラスチックジョッキを毎年買わないといけないのは残念。

各ビールの詳しい説明が書かれたパンフレット1冊とボールペンがもらえます。

飲んだビールの順番や好みなどメモを取ると、どれを飲んだか覚えやすいのでおススメですよ。酔っぱらってくると忘れちゃうので!

では、早速飲んだビールのご紹介。

今回のイベントでは初デビューのビールが多いため、ほとんどのビールが実験的だったり挑戦的な変わったビールが多かったです。なので、ほとんどトークン1枚でトライしました。

まずは喉が渇いていたので、目の前のブースから。私の好きなお茶の入ったビールをチョイス。(写真右)

今回唯一のスタイル「ハニーエール」マンゴー&グリーンティー

さっぱりしていて甘くなくマイルドでとっても飲みやすかった。マンゴーの味はせず。とりあえずお茶代わりに喉を潤すのに良い感じ。

旦那さんは、暑いのでリフレッシングな「GOSE」(ゴーゼ)から沢山飲んでました。

1杯目はLucky Labrador Brewpub グァバ&パッションフルーツ(写真左)しょっぱくて私は少し苦手。

ゴーゼは、酸っぱいけど、乳酸菌で発酵させる独特の製法で、サワーエールとは異なります。そして結構しょっぱいです。小麦や大量の塩、コリアンダーなどでできているドイツの伝統ビールスタイルの1種です。

ここ最近のアメリカでトレンドになってきているスタイルですが、暑い夏には爽快な飲み口がリフレッシュ出来てピッタリ。塩分が補給できるので、日本のような猛暑には特におススメですね。

続いて、私は夏にはやっぱり美味しいヴァイツェンが飲みたい!と思ったら、ウィート系がほとんどフルーツビールでした。

普通のが飲みたかったけど、ラズベリーとパイナップルの2種類をトライしました。

オレゴンはラズベリーなどのベリー系フルーツが有名でとても美味しいので、普段からベリー系のビールはよくあります。ビールに入っていても、イメージ程そんなにフルーツが主張せず、とても上品に後味が残るくらいのものが多いと思います。

今回飲んだラズベリーヴァイツェンもパイナップルウィート、どちらもとても美味しかったです。

そして2人で25種類以上、色々飲みましたが、私の中のベスト3はこちら↓

3位

Natian Brewery インペリアルミルクスタウト「Cease & Desist」

デザートのような甘さで、クリーミーで美味しいコーヒー味。オートミールも入っているのでブランチ代わりにも良いかも。これは以前からあるビールなので、スタウト好きならお試しあれ。

2位

Great Notion Brewery コーヒー&メープルスタウト「Double Stack」

これは大人気でした!まだどこにも行列が出来てない時間でしたが、ここだけ列が。まだ初日ですが、どこからともなく「ここが美味しい」と広まっているようです。私の時は7人待ちでした。

1口目はまるでドーナツのような甘さ。メープルシロップの味わいと、後味はほんのり苦めで、めちゃくちゃ濃厚で美味しかったです。アルコール度数が今回のイベントで断トツで高い11%!です。

✩1位✩

Migration Brewingのインペリアル・ヘイジー・IPA「Big Hazy Kane」

これは今回飲んだ中で、ずば抜けて美味しかった!好みの異なる私と旦那さんもお互いこれが1位です。濁った綺麗なゴールドカラー。

とっても濃厚で東欧のずっしりしたパンの味わい。サンドイッチを飲んでいるような重さ。このビールも夕方は行列で15人以上並んでいましたよ!絶対美味しいと踏んで、フルジョッキにして正解でした。

この時、美味しいと思って飲んでいたラズベリーヴァイツェンを、このビールの後に飲むと、ものすごく薄味に感じてしまいましたよ。

ランキングにスタウト2つも?とお思いかもしれませんが、私の持論でスタウトはハズレが少ないと思うのです。なので、4種類あるスタウトのうち3種類飲みました。

1つはサマースタウトという名の通り、あっさりさっぱりした飲み心地は夏に合うけど、スタウトというよりブラウンエールのような味わいでした。

番外「今回一の変わり種」

Sunriver Brewing Co. ラガー「Japanese Field Lager」

説明にかっぱ巻きからインスパイアを受けたビールとあります。材料には、キュウリ、ショウガ、オレゴンワサビ・・・・。

怖いけどタイトルからこれは頼まないと、と思いトライ。

これが意外!想像以上に美味しかった!本当にかっぱ巻きの味がしましたよ。

ポートランドで定番人気のIPAはやはり一番種類が多かったですが、せっかくなので普段あまりお目にかからない他のスタイルから沢山飲みました。

どれもこれも外れはなく、美味しかったです。

ちなみにグラスはこちらの「Glass Rinse Water」というサインのお水ですすげます。

ビールはこのトレーラーからサーバーにつながっていて、そこからピッチャーに入れたもので注いでくれます。

このトレーラーには各ブルワリーとビールの名前が書いてあります

会場はとても広く、パンフレットを見て次に何を飲みたいか決めても、そのブースがどこにあるのかが書いてないので、見つけるのはかなり難しいです。

結局見つからず、目の前のブースを見て頼んだりもました。

イベントは南北に細長く、入り口から左右に南エリアと北エリアに分かれています。どのブルワリーがどちらのエリアのどのブースにあるかは、この入り口付近にある立て看板にしか書いてありません。

南北のエリア同士は離れていて、暑いし砂ぼこりも立つし、あまり頻繁には行き来したくないと思います。絶対飲みたいブルワリーが決まっている場合は、まず最初にこの看板を確認することをおススメします。

北エリアにある大テント側

会場は平日なのでゆったりしていました。

時折誰かが突然「イェーイ!!」と叫ぶと、隣の人たちも同じく叫びだし、声のウェーブが起きて、一瞬の一体感が生まれるのが面白かったです!

自作のプレッツェルのネックレスを着けてる人たち

プレッツェルのネックレスはかなり欲しい。定番なのでしょうか、他にも見かけました。

ドイツの民族衣装レダーホーゼを着ている可愛いお二人を発見

この民族衣装を着たお二人に声をかけると喜んで、この後一緒にも写真撮ろうと言ってくれました。

イベントの開催場所は、ウィラメット川の西側、Tom Mccallウォーターフロントパーク。北エリアでは雄大な川を眺めながらビールを楽しめます。

テントは無く、木陰が涼しくて心地よい南エリア。皆テーブルから椅子を移動して、思い思いの場所に座ってます。

ミストも用意されていましたが、木陰や川からの風は涼しく気持ちいいので、誰も利用してませんでしたよ。

南エリアにはゲームコーナーが。せっかくなので遊んでみましたが、難しかったです。無料ですが、よければ寄付してねと言われます。身体障がい者の為の寄付で、私は5ドル寄付しました。

一輪車に乗ったホップで飾られたバグパイプ奏者♪なぜかダースベーダーのヘルメットをポートランドカラーにしているのが愛嬌たっぷり。

そして中央エリアには、来場者がどこから来たのかピンを刺せる地図がありました。

世界地図とアメリカの地図がありました。まだ初日ですが、世界各地から結構来てますね。

日本と韓国も結構いましたよ。私は、大阪に刺して来ました!

中央にあるフードエリア。と言っても5軒のみ。さすがのRogueは人気でした。

最後に…

ビアフェスティバルにおいて気を付けないといけないこと

1:キャッシュオンリー

アメリカはカード文化で、どこでも少額でもカードで支払うのが当たり前ですが、こういった屋外のフェスに限っては異なります。現金しか受け付けません。

※フードはカードOKの時もあります。

用意するのを忘れた場合は、敷地内に数カ所ATMがあります。

2:年齢チェックのためのID必須

オレゴンではレストランやバーでは、30歳以下に見える場合に確認するルールですが、このような屋外イベントでは必ず確認されます。屋外の飲酒は法律で固く禁止されていて、イベント敷地内でしか飲めません。

アジア人は若く見えますし、自分は大丈夫と思ってもパスポートを持っていきましょう!

3:アメリカでは飲酒運転する人が結構いたりしますが、もちろん違法

会場にはタクシーのRadio Cabのポスターと可愛い車のオブジェが。パンフレットにはお得なクーポンコードがありました。

もちろんポートランドは、バスや電車も走ってます。酔っぱらっても、安全なお帰りを。

ちなみに、このイベントのある広場は、ポートランドサタデーマーケットが開催される場所でもあるので、土曜日に来られる方はマーケットも一緒に楽しめます。

マーケットの方が安くて美味しいフードカートが沢山並んでますよ

またそのマーケットの隣は、Japanese American Histrical Plazaという日系アメリカ人の記念公園があり、有名な記念碑などがあります。

歴史について学べる観光場所としてもおススメです。

自然も豊かで、この日はカナダガンがたくさん立ち寄って休憩してましたよ。

フェスティバルの前後に散歩してみてはいかがでしょうか。