こんにちは、カリフォルニア州在住のビアラバーです。
さて、今回が初めての記事なので非常にコーフンしているのだ。果たしてどうなることやら、実に楽しみである。と言う訳で早速今回はカリフォルニア州のDublinにあるThree Sheets Beerと言うお店に来てみたのだ。
初めてトライしてみるお店なのだが、事前にホームページを見てみると、ここは2人のビールオタクが始めたバーで、40種類近くのクラフトビールを揃えている結構気合の入った店のようである。地元CAのクラフトビールが主だが、それ以外の州のものも揃えているようである。
それに食べ物メニューは殆どない代わりに、食べ物の持ち込みがオーケーなようで、かなり気軽な雰囲気の店のようである。堅苦しいバーではなく、色々な種類のビールをカジュアルに楽しむことが出来る店のようである。
うむうむ、いいではないか。よーし、早速行ってみよー!
だがしかし、その前にやらねばならん事があるのだ。何かと言うと、飲む前にまず走るのである。
残念なことにおじさんである俺は、飲む前にある程度カロリーを消費しておかないとエライ事になるのでこうしてきちんと走っているのである。
なんてエライ俺!なーんてことはどうでもいいのだが、とにかくそのようにして一時間ほど走り、汗ダラダラの状態でそのまま店に直行したのだ。
しかし、走っているうちから既に俺の考えることはビールの事だけ、と言う状態だったので店に着いた時にはもう完全にやばい状況だったのは言うまでもない。
一秒でも早く冷えたビールをウグウグと飲みたい、ウグウグプハー状態に突入したい、とそれしか頭にないのであった。
そんな状態だったので店に入っても冷静な判断など出来るはずもなく、記事を書くことをすっかり忘れて速攻でビールをオーダーし、あろう事か一気に飲み干してしまったのだ。
おーのー!(Oh, no!)俺としたことが。
ビールを目の前にしてすっかりコーフンし我を忘れてしまったぜ。いかんいかん、今日は記事を書くために来たのである。単純に走った後にビール飲んで気分よくなってる場合ではないのだ。
冷えたビールをウグウグプハーと飲み干してようやく我に帰った俺は、気を取り直して今度こそ記事用のオーダーをするのであった。
記事用となればサンプルが一番いいであろう。
ここの店ではサンプルをオーダーすると記入用紙がもらえ、そこに飲みたいものを4つ選んで書く、と言うシステムになっているのだ。
メニューはカウンターにあるスクリーンに表示されているのでそれを見ながら書くのだが、これが非常にもどかしいのであった。
何故かと言うとビールの種類が多いので、全てがスクリーンに一度に表示される訳ではなく、数ページに分かれているのだ。
各ページがスライド式に順番に表示されるのだが、そうなると当然ながら「あっ、やっぱり1ページ目に戻って!」、と言うわけには行かず、見たいページの順番が来るまで大人しく待っていなくてはならんのである。
こっちは一応一杯飲んで少々の落ち着きを取り戻しているとは言っても早くも次が飲みたいのである。それなのになかなかメニューのページが変わらないのである。汗
これは非常にもどかしいのだ。
紙かなんかで一覧になってるメニューも用意していてくれればいいのに!何せこっちは4つも選ばなくてはならんのだ、早く次のページに行ってくれ!じゃない、違った、前のページに戻ってくれ、あ、違う、やっぱり次のページだった、とにかく早く、早くー!うおーーー!
などとビールの事となるとすぐに逆上するおじさんはこの時点で既に心は千千に乱れ、息も荒く、サンプルシートを持つ手も震えてくるのである。
全く持って落ち着きのない客なのである。
だが何とかして苦労しながらもスクリーンメニューと奮闘しつつ選んだ4つのビールは以下の通りである。
1) Tripel (Belgian Tripel)
これはポートランドMEのクラフトビール。ベルギービール好きの俺はどうしても一番先にこれを選んでしまう。
2)Mac Drizzle Gold (Golden Ale)
Dublinのお隣であるLivermoreのビール。
3)Prohibition Ale (American Amber/Red Ale)
サンフランシスコのビール
4)Lagur (Lager)
これが最初に一気に飲み干してしまったビールである。味わってる暇がなかったので再度トライ。
逆上しつつ選んだ割にはまあまあなセレクションである。って何がどうまあまあなのかは分からんが、とにかく試飲である。
しかし、これまでの人生ビールは大好きで沢山飲んできたが、未だかつて味についてどうこう書く、なんて事をしたことのない俺はここで少々困ってしまった。
と言うのも元々繊細な味覚がある訳でなく、更に微妙な味を表現するほどの語彙も持っていないのだ、一体どうしたらいいのだ。
俺の言えることなんて「うめー!」ぐらいしかないのである。
おまけにビール大好き、ビール命の俺はどんなビールを飲んでも「うめー!」などと言って単純に喜んでしまうのである。違いなどよく分からないのである。
とにかくビールが飲めればそれでいい、と言う恐ろしいほど単純明快な人生を送ってきた男なのである。そんな俺が試飲して違いなど分かるのだろうか。
うーむ、うーむ、困ったことになった。
なーんて急に弱気になってみたりしたのだが、気持ちとは裏腹にビールを前にして早速手が出るのであった。ビールを前にしていつまでも困ってなどいられないのだ、とにかく俺はビールが飲みたいのだ。
後は野となれ山となれ、と言う訳でオーダーの順とは逆で試飲してみることにして、まずは4番目のLagurからである。割と有名なLagunitasと言うブルワリーのビールである。
これはさっき店に入って速攻で飲んだビールなのでおぼろげな印象は残っているが、何しろウグウグプハーと僅か数十秒で飲み干してしまったので細かいことはよく分からないのである。今度こそはちゃんと味わうぞ、と逸る気持ちを抑え、ゆっくりと飲むことにしたのだ。
するとやはり第一印象と同じくスッキリしていて実に飲みやすいビールである。ラガーと言うこともあり定番中の定番、と言った感じで実にバランスの取れた美味いビールである。
クラフトビールによくあるような尖がった個性はないが、その代わり磐石の安定感を持っていて飽きの来ないビール、と言った感じである。
日本食と言えば米と味噌汁、と言った具合に、ビールと言ったらやっぱりこれだよな、と安心できる味である。
おっ、心配していた割りに俺も一応それなりのコメントが出来るではないか。わははは、俺もやる時はやるのだ、なーんて勝手に調子付いて早速次の試飲に行くのである。
次はサンフランシスコのSpeakeasyと言うところで作っているProhibition Ale。これは先ほどのラガーとは全然違って濃厚な感じである。色も4つの中で一番濃い。
飲んでみるとモルトの味が際立っていて、アルコール度も高めな感じである。ホップが効いていて香りも苦味も若干強めで、秋や冬の夜にゆっくりと飲みたいビール、と言ったところである。
続いて3番目に飲むビールはLivermore にあるAltamont Beer Works と言うところで作っているGolden Ale のMac Drizzle Gold と言うビール。
色は薄めでラガーと同じようなのだが、ちょっとグラスに鼻を近づけただけで分かるぐらい芳醇なホップの香りが漂ってくるのだ。
うーむ、これは只者ではない、と既にこの時点で感じさせる迫力のあるビールである。
一応記事にしなくてはならんので飲む前にしっかりとこうして色や香りをチェックしてるが、もうこの時点で俺好みのビールであることは間違いないのが分かったので、もう一刻も早く飲みたくてしょーがないのである。
普段飲む前に色や香りなどをチェックしないおじさんはもう我慢できないのだ、とにかく今すぐ飲みたいのである。
満を持して一口飲んでみるともうこれがたまらんのだ!
完全にノックアウトされてしまった。
結果から言うとこれ(Mac Drizzle Gold)が4つの中でベストであった。
と言ってももちろん俺の超個人的なランキングであるが、とにかくこの香り、この味、この喉越し、どれをとってもパーフェクト、まさに俺の理想に近い最高のビールであった。
あまりの美味さにコーフンし、2口目からはもう試飲のことなど頭から吹っ飛んでしまい一気に飲んでしまった。
あっと言う間に飲み干して空になったサンプルグラスをしばしボーゼンとして見つめていた俺は、サンプルのあまりの少なさに憤慨し、取り乱しそうになったことは言うまでもない。
この美味いビールをもっともっと俺によこせー!と大声で喚きながら店中を走り回りたくなるぐらい衝撃的な美味さのビールであった。
このビールに完全に心を奪われた俺は冷静さを取り戻すのにしばらくの時間を要したが、気持ちを落ち付けて最後のビールである。
先に書いたように俺はベルギービールが大好きなのでどこに行っても必ずベルギービールをオーダーしてしまうのだが、数あるベルギービールの中でもTripelは大好きなのである。
この店では珍しくこのビールはCAではなく、MEのポートランドにあるAllagash Brewing Companyと言うところで作られたBelgian Tripelである。
色は薄めだが全体的に曇っていてイーストが入っていると思われる。香りもよく泡立ちも綺麗である。
一口飲んでみるとまず強烈に感じるのがその甘さである。だが甘さと言っても上品な甘さで、それが口中いっぱいに広がり、それと同時にホップの苦味がちょうどよく効いて非常に上手くバランスが取れているのだ。
更にフルーツのような酸味と適度なスパイスも感じられ、実に複雑で奥深いのだが全体的に全てが完璧にまとまっているのだ。アルコール度も高めなのだがそれを全く感じさせないぐらいの爽やかさである。
うーむ、これまた実に美味いビールである。
うーむうーむ、やるではないか。
などと唸りつつ飲んでいたらまたもやあっと言う間になくなってしまったのだが、とにかく美味いビールであった。
これまたどんぴしゃで俺好みのビールであり、通常であれば文句なくこれが一番美味い、となるなのだろうが、今回は3番目に飲んだビールのインパクトがあまりにも強過ぎたため残念ながら優勝を逃した、と言うところである。
惜しくも優勝は逃したが、間違いなく美味い実力派のビールである。
と言う訳で俺の超個人的なビール試飲は以上のようなものだったのだが、結局のところはどのビールも全部美味い、と言う実に身も蓋もないしょーもないのが正直な感想なのであった。
あー、しかしこうして美味いクラフトビールをあれこれ楽しめるのは実に幸せなことである。まだまだ他にもトライしたいビールが一杯あるので是非また来たい店である。
最後に店についてだが、店内は広々としていて実にいい感じである。
更に天井が高いので実際よりもかなり広く感じるのである。開放感があって気分よく飲める素晴らしい店内である。
奥にはゲームをするスペースなどもあるので大勢で来てワイワイ騒いで楽しむのも面白そうである。ドッグフレンドリーな店のようで犬を連れて来ているお客さんもいた。
また、余談ではあるが、トイレも綺麗で快適である。
外にもテーブルがあるので天気のいい日は外で飲むのも気持ちよさそうである。
そして更に先に書いたようにこの店は食べ物の持ち込みもオーケー、さらに犬もオーケー、言う実に寛大で気軽に楽しめる店なのである。
初めて来たが実にいい店なので、今度は是非何人かで来て食べ物も持ち込みしてワイワイと楽しみたいものである。と言う訳で、実にいい雰囲気のお店で美味いビールを飲むことが出来、最高にいい時間を過ごすことができたのであった。
やっぱりビールは最高だぜ!