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ライター

こんにちはYusukeです。ここではホームブルーで必ず必要となる道具類などを、私の個人的な意見も絡めてご紹介します。

寸胴


麦汁(Wort)を煮込むための鍋である寸胴は、一番初めの作業である麦汁を煮込む作業で使います。オールグレイン(濃縮モルトを使わず普通に麦芽を糖化するプロセスから始める)の場合は初めから5ガロン(アメリカ19L、カナダ23L)をまとめて煮込める大きいサイズを用意する必要があります。濃縮モルトの場合は小さい鍋で溶かして、発酵容器に入れた時に水を足して正規の水量(5ガロン)にすればOK。

水温計


水温系は初日の作業で必須アイテムです。麦芽を一定温度のお湯で1時間浸して「麦汁」を作る際や、麦汁をホップと共に煮込む時、および冷ましてイーストを投入するステップはすべて温度管理に基づくからです。

水温計には通常タイプと電子の2タイプあります。個人的には壊れにくく電池切れもない、針が狂いにくい昔ながらのタイプを強く強くお勧めします。道具はシンプルなものが一番です!この場合、コーヒーやお茶の温度を測る用途で販売されている小さめのサイズで問題なし。

電子の場合は一定時間経過すると自動で画面が消えてしまいますし、温度を測りたい時にその都度電源をいれてチェックする事になりますが、通常の水温系は麦汁を煮込む際に鍋に挟んで見たい時いつでもチェック出来て便利です。また電子水温系は水の侵入で壊れやすい。以前に、壊れて実際の温度と表示温度が違う事に気づかず、無駄な作業をした事がありました・・。

Wort Chiller


煮込んだ麦汁(Wort)を急速に冷やすために使います。ステンレス制がポピュラーですが、熱伝導率の高い銅で出来たものもある。(少しだけ高いかも?)

らせん状になっている部分を煮込んだ直後の麦汁の中に入れ、ホースの片側を水道の蛇口に接続し冷水を通します。するとらせん上のスチールパイプを通って逆側のホースから出てきます(麦汁がまだ熱湯の時はホースから出てくる水も熱湯なので火傷に注意!)。これによって急速に水温を落とすことができます。ビールの品質向上には、煮込んだ後いかに早く温度を下げて酵母を入れ発酵容器に詰め込むか・・が重要とされます。(理由の一つは水温が落ちた状態で空気に触れて雑菌が入る事を防ぐため)。

これを使わず寸胴ごと氷水に突っ込むのも方法ですが、大きなシンクと大量の氷が必要になり手間がかかってしまいます。比べるとわかりますがWort Chillerは非常に急速に水温が落ちてゆくので快適快適!

Wort Chillerの比較をしてるサイトもありました⇒https://52brews.com/top-5-wort-chillers

比重計(ハイドロメーター)


容器の中に麦汁を入れ、そこへガラス製の比重計を浮かべ、メモリを読んで使います。

比重(gravity)とは簡単に言うと「水の濃度」の事で、ここでは麦汁に含まれる糖分の量を測る事が出来ます。これにより「発酵の進み具合」やビール完成時の「アルコール度数」を計算する事が出来ます。

濃度は水中の糖分量に比例します。イーストを投入して発酵が進むとこの糖が分解されるので、最終的には比重はどんどん軽くなってゆき、イーストが糖を食べつくすと発酵終了という事になります。このように発酵の進捗を測る目安として活用します。

また初期比重と最終比重(それぞれOG: Original GravityとFG: Final Gravityと呼ぶ)を比較することでアルコール度数を計算できます。通常OGは1.040前後、FGは1.008前後。初期比重は煮込んだ麦汁を冷やした後、イーストを投入する前にチェックします。比重計

比重計についてものすごくわかりやすく詳しく説明してるYouTube動画⇒https://www.youtube.com/watch?v=FSIM2uTrhPg
こちらもお勧め。Home Brewingでは有名?なCraig さんのチャンネルから⇒https://www.youtube.com/watch?v=GTvmYaQq6Mc

発酵容器(カーボイ)


麦汁を発酵させる際に格納する容器。麦汁にイーストを投入したあと移して上部にエアロックで栓をして密封する。ガラス製とプラスチック製があり、プラスチックの方が軽くて便利です。写真は上部にエアロックを付けた状態。サイズにも種類がありますが、写真は最大でUS 6ガロン(カナダ5ガロン)の約23リットルが入るサイズ。

ちなみに容器は本来透明である必要はありません(大昔は木の樽で作ってた訳ですし)が、私のようにビギナーで慣れないうちは、発酵の具合が見えるカーボイはものすごく便利です。ただイースト投入後の麦汁は光の影響を大変受けやすいので、必ず周りを布やタオルで巻いて遮光するか、倉庫などの暗がりに保管する必要があります。私の場合は、使い古したTシャツを着せるように被せています(サイズが丁度ぴったりで笑)。

発酵容器(バケツタイプ)


こちらはカーボイよりも安価で使い道の広い、バケツ式の発酵容器。中が見えませんがシンプルで、取っ手もあって便利。ただ実際は中に消毒用の液体をいれて消毒作業用に使う事が多いようです(私もそうしてる)。初日およびボトリングの作業は消毒するツールがたくさんあり、このくらいの大きいサイズの容器がないと結構不便なのです。またツール類の保管用にもいいサイズ。

エアーロック


イーストはとてもデリケートで、発酵中の麦汁にバクテリアや雑菌を入れては絶対にいけません。オフフレーバーの原因になり、下手すると味が完全に死んで風味が消えたり酸味が強くなったりします。したがって麦汁を出来る限り外気に触れない事が発酵期間は非常に大切。
ただ発酵は糖分をアルコールと炭酸ガスに変える作業ですから、密封した容器内は圧力が高まり空気が押し出されますので、内から外へ空気を出すが外気は一切中に入れないという仕掛けが必要。これを「水を蓋にする」事で実現するのがエアーロックです。発酵が進むと中から押し出される空気でエアロックからポコポコ聞こえ「生きてる」感が伝わってきます。これが結構かわいい笑

サイフォン


容器から容器へWortを移すパイプ。煮込んだ麦汁を一次発酵容器に移し、その後二次発酵容器へ移す時などに利用。
手の操作だけで簡単に麦汁を移動できる便利なオートサイフォンと、口で吸い込むなど少し工夫しないといけない通常のサイフォンがあります。オートじゃないものは口を付けるなど衛生的でないしコツが必要で不便。初めからオートサイフォンを購入する事を強くお勧めします。普通のサイフォンを使ったあとにオートを利用すると便利すぎて天国のようです。笑


その他

打栓機

ボトル洗浄機

消毒用洗剤

プライミングシュガー

ベルギースタイルフリップトップボトル