Trappist
ベルギー
上面発酵
様々
様々
定義は無いが高め(6%~10%)
トラピストビールとは、トラピスト会修道院のもとで作られるビールの事を言う。(トラピスト会修道院とは11世紀にフランスで発足した修道会をルーツとするカトリックの教派で、世界に約170の修道院がある)
ビールスタイルの一つであるものの、味や素材・製法でなく「どこで作ったか」が条件となる珍しいジャンルである。
聖者がビールを敷地で作る・・と聞くと日本人感覚では不思議に聞こえるが、これには経緯がある。中世ヨーロッパでは水質が低くコレラ・ペストといった菌の感染リスクがあったため、飲み物として質が安定し保存が出来るビールやワインを修道院が提唱してきた事がルーツだ。初めに醸造したのはベルギーのシメイにあるスクールモン修道院と言われている。
ビール自体の特徴は、上面発酵(エール)で、瓶詰後も発酵が進むという点である。逆に言えばそれ以の固定した特徴は無く、色も味も様々ではあるが、傾向としてはアルコール度数が高く濃厚なスタイルが多い。また専用グラスは聖杯型が多い。
修道院で作られたビール自体はアビイビールと呼ぶが、トラピストビールは以下3つの条件を満たしたものだけが名乗ることが出来る。言い換えると、トラピストビール以外の修道院ビールをアビイビールと呼ぶ。
1)トラピスト会修道院の修道士が自ら醸造するか、修道士の監督の元で醸造されたものであること。
2)修道院の敷地内の醸造所で醸造されていること。
3)販売は営利目的で行ってはならず、収益は修道院のメンテナンスや運営費用に充て、残額は慈善団体に寄付すること。
シメイを代表とするトラピストはベルギービールとして有名だが、上記のどおり「トラピスト=ベルギー」ではない。
約170ある世界のトラピスト会修道院のうちビール醸造するのは12箇所のみで、うちベルギーが6箇所である。(2019年時点)