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コロラド州よりころらどままです!

今回は、コロラドの州都デンバーから、I-70をひたすら西へ車を走らせること5時間、ユタ州のアーチーズ国立公園へやってきました。

その名の通り、岩のアーチが沢山ある国立公園で、それぞれに名前が付けられており、こちらの写真はスカイラインアーチ。

大きな奇岩を指さして、あれがバランスロックだね、こっちはスリーゴシップスだって、と言いながらドライブするのが楽しいのです。

また、壮大な原野に広がる大きな山の岩肌は、茶色、赤、ピンク、オレンジ、黄色とグラデーションをなし、地面には低木の深い緑、空には澄んだ青と濃い白い雲。本当に美しい、印象的な景色です。写真を撮ろうにも、目に映った通りには切り取れないので、是非訪れて欲しい場所です。

この国立公園の入り口にあるのがモアブという街で、この街唯一のブルワリーがMOAB BREWERYです。山を背中に背負って、とてもユタ感が出ています。

お店の建屋は暖かみのある土色の壁に、カメレオン?がはり付いていて、モアブ感が出ています。


ロゴマークはネイティブアメリカン風のヒトのイラストで、アメリカ中西部感が出ています。

このお店の特徴は、アウトドア押しが強いこと。天井にはスカイダイビングをするマネキンが!


天井や壁からカヤックやラフティングボート、マウンテンバイクがぶら下がり、パラシュートやラリーのポスターが貼られて、天井も壁も満員御礼です。

受賞したビールの表彰状も沢山飾られていますが、その他の表彰状もずらり。マウンテンバイクの大会の協賛や、地域の雇用促進に対しての感謝状も、、、ただのブルワリーレストランではなく、地域の観光産業の一翼を担っているようです。

ビールは街の名前を冠したMoab Pilsner(パイントグラス)と、シーズン限定のGrapefruit IPA(サンプルグラス左)とDehreiler Red(サンプルグラス右)を頂きました。


Moab Pilsnerは、シンプルさを追求したビール。軽く高温焙燥したモルトにノーブルホップと呼ばれる、苦みが爽やかで刺激が少ないtettnangerホップとsaazホップを使用。そしてモアブの湧水が軽くパリッとした後味を添えています。暑いユタの夏にぴったりのすっきりしたビールです。

柑橘系ビールの中には、ジュースを混ぜたのでは?という位フルーティーなものもありますが、こちらのGrapefruit IPAは、フルーツ感、甘さは控えめ。IPAのホップとグレープフルーツが混ざり合って、すっきりとした清々しい香り。香りも、苦みも、ホップ/グレープフルーツが丁度50/50で良いバランスを作り出しています。

Dehreiler Redは、ほんのり甘いにおいがしてコクのあるビール。ライ麦のアンバーエールではないかと思われるのですが、季節ものということもあり、お店のヒトも、Derailer(脱線器)だかDehreiler(人の名前?)だかネーミングも曖昧で、メニューにもないから、よくわからないのでした。

このブルワリーのお隣は、ウォッカとジンのディスティラリーで、そこのスピリッツを頂くこともできます。

お食事は、アメリカンとメキシカンを中心に沢山のメニューがあり、量はたっぷり目。ビールでもお腹いっぱいになるし、あっさりとしたものを食べたいなとサラダ系のパスタを頼むものの、結局食べきれないのです。


そしてブルワリーグッズが驚きの充実ぶりで、缶ビールやグラスは勿論、服はTシャツのみならず、バイク用のシャツが各ビールのデザイン毎にあります。何かに当選したら、天井のマウンテンバイクが頂けるようです。

また、ここで販売されているジェラートも自家製。お店の入り口にあるので、おちび達がスルーさせてくれるはずもなく。。アイスで口をくわんくわんにして帰るのです。


マイクロブルワリーは、地元に密着して、地元を大事にしているところが多いと思いますが、こんなに地元の核となっているような、観光案内所のようなブルワリーは初めてで、とても印象的でした。